最近よく聞くようになった「WEB3」とは?いったいどういう意味なんですか?
近年よく聞くキーワードに【WEB3】というものがあります。
漠然と「こういう事だろう」と、曖昧に決めつけてしまいがちなキーワードですが、どんな意味を持つのでしょうか?
今回の記事では【WEB3】について少し過去をさかのぼり今までのインターネットの歴史を紐解きながら解説していきます。
- WEB3とは?WEB1.0からの振り返り
- WEB3の大きな違い・特徴
- WEB3が注目を集める理由
- DeFiとDaoの存在
Twitterアカウント @cryppen_crypto
「WEB3」とは?WEB1.0からの振り返り
WEB3を語る前に「浅いようで深い」今までのインターネットの歴史を駆け足で振り返ってみましょう。
まだ20代の方もインターネットの歴史は理解しておくとWEB3の誕生が必然的であることが理解できると思います。
WEB1.0は「読むだけ」
ウェブ1.0は、インターネットが一般的になり、ウェブ閲覧ソフトが開発された1990年ごろからSNSが本格的に普及し始めた2005年前後までとされています。
この時代は新聞・雑誌などの紙メディアから移行した静的(動きのない)なウェブページがほとんど、インターネットユーザーの大部分はコンテンツを読むだけの消費者でした。
WEB1.0は「リード・オンリー(読むだけ)」の時代ともいわれています。パソコン本体も今よりもだいぶ遅く、大きかったですね♪
少し古すぎますが2005年あたりのYahoo!トップ画面。懐かし~と感じた方は世代が近いかもしれませんね♪左下の【集まる】の掲示板やチャットがにぎわっていたのを覚えています。
この頃はまだスマホもなく一部の人にしかインターネットは開かれていませんでした。
2016年ごろから現在がWEB2.0の時代が到来します。
WEB2.0は「双方型」
スマホが一般的になり「誰もがインターネットにつながる時代」へと変化していきます。
この辺りからフェイスブックやツイッター、インスタグラムの登場によって、一般ユーザーの誰もがコンテンツの提供者と消費者の両方になれるようになります。
私自身のはじめてのSNSはFacebook。インターネットを通じ様々な人と気軽にコミュニケーションを取れることに感銘を受けてのを昨日のことのように覚えています。
このSNSプラットフォームのおかげで、自分の意見を自由に書き込み、意見の交換ができる「双方向型のWEB」へと進化を遂げていきます。
このため、WEB2.0は「リード+ライト(読み・書く)」の時代といわれます。今もこの時代に当てはまります。
WEB2.0では、SNSを運営するプラットフォーマーと呼ばれる巨大企業が、ユーザーの生みだしたデータやアプリケーションの利用料から莫大な富を築くようになります。
その一方で問題点として、突然のアカウントの停止や、個人情報の流出事故も相次ぎ、この中央集権的な考え方や振る舞いに、ユーザーは不満を募らせるようになっっていくのです…
米ツイッター社は8日、「暴力行為をさらに扇動する恐れがある」として、ドナルド・トランプ大統領の個人アカウントを永久凍結したと発表した。ツイッターの代替として多くのトランプ氏の支持者が活用するソーシャルメディア・アプリ「Parler(パーラー)」については、グーグル社が8日、アップル社が9日、それぞれ自社のアプリ・ストアで凍結・削除したほか、アマゾン社がホスティング・サービスのサービス提供を停止した。
引用bbc.com
WEB3時代の到来
2020年ごろから注目を集めているWEB3はこうしたWEB2.0の巨大企業のプラットフォーマーに対する「アンチテーゼ(否定的な)」としての意見や「ビットコインの概念」により生まれました。
このビットコインの概念・仕組みとは…
分散型ネットワークであるブロックチェーン (分散型台帳)を中核技術にしており、中央集権的な企業は存在せず、ユーザーのデータや資産などはブロックチェーン上に保存され、「ユーザー全員でデータを共有していく」という中央管理者がいない仕組みのこと。
かんたんに話すとブロックチェーンやプログラミングにより自動化された仕組みのこと
また、ブロックチェーンのネットワークが発行する「ガバナンス・トークン(投票権利)」をユーザーに付与することができ、保有者は、株式会社の株主のようにサービスの運営方針を新たに提案したり、誰かの提案に対する投票に参加したりできます。
このため、ウェブ3は「リード+ライト+オウン(読み・書き・所有)」の時代といわれます。
WEB1.0と2.0とWEB3の大きな違い・特徴
WEB1.0、WEB2.0と違う技術的な特徴としてデータや取引履歴などはすべてブロックチェーン上に記録され、誰でも閲覧することができるようになったこと。
ブロックチェーン上の取引データは、世界中のネットワーク上にあるコンピュータ同士で分散的に保存されます。 今までのクラウドの仕組みのように、どこかのサーバーに取引履歴が保存されている訳ではなく、同じデータが多数のコンピュータに保存・同期されているのです。
中央集権的な企業がデータを独占することによってユーザーを囲いこむことはできなくなるため、今後データ収集(ビックデータ)に獲得によるインターネット上の購買競争のルールが変わっていくと言われています。
この「ビックデータ」をフル活用していた「中央集権的」な企業の代表として良く名前が挙がるのが「GAFAM」
「GAFAM」とは、IT企業である5社(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)の頭文字を取った呼び名のことです。現在のインターネットを中心とした世界の中央集権の象徴的な企業たちです。
WEB3が注目を集める理由
WEB3の具体的なサービスとしては、 NFTやDeFi (分散型金融)、GameFi(ゲームとファイナンスを組み合わせた造語などがある。
2021年はクリプトパンクスを代表とするNFT化されたデジタルアート作品などが高額で取引されニュースになりました。
他にも世界中から注目を集めたのが分散型金融の「DeFi」。
DeFiの誕生
「DeFi」は、銀行に代表され中央集権的な金融機関を介さずに金融取引を行えることを目指してつくられたアプリケーション。金融サービスであるため取引所がない国の人も、暗号資産(仮想通貨)の売買が可能になります。
DeFiは金融機関を介さない代わりに、ブロックチェーンを使って契約を自動的に実行する「スマートコントラクト」という仕組みを使って、取引のルールをプログラミングし自動化します。
このため、人件費、運用費などが圧倒的に低コストになり、効率的な運営と高い収益性を実現できます。これが高金利につながり、現在も銀行の預金金利を大きく上回っています。
DeFiの3つの特徴
- 金融機関が仲介しない無人のサービス
- 手数料の安さ
- 国や地域を問わず金融サービスを利用できる
「Play to Earn」 と「Stepn」
WEB3が注目を集めたほかの理由として、2022年にゲームをプレイ(Play to Earn)したり、外で歩いたり走ったりすることでトークン(暗号資産)を獲得できるサービス(Stepn、SweatCoin)など、不労所得を得られるサービスがブームの火付け役になったことがあげられます。
遊び感覚で暗号資産が貯まるのが、働く感覚と全く異なりユーザーの関心をひきつけました。
DAOの登場
金融以外の側面でWEB3に注目すべき点は2020年がDeFi、2021年がNFTの年とするなら、2022年は「DAO(分散型自律組織)」の年といわれています。
DAOはビジネスや慈善事業の運営など、共通の目標を達成するために集まった人々で構成されるオンラインコミュニティーであり、特定の所有者(株主)や管理者(経営者)が存在しなくても、事業やプロジェクトを推進できる自律的な組織を意味します。
構造をとる従来の会社組織とは異なり、フラットな組織構造が特徴であり、メンバーには上位も下位もないのが理想です。
参加したいDAOのトークン、もしくはNFTを購入し参加する方法やオープンなコミュニティの場合Discordなどから誰でも参加ができます。
日本の人気DAO
キングコングの西野さんが参加するCHIMNEY TOWN DAO(チムニータウンダオ)このDAOはCHIMNEY TOWN DAO公式Discordサーバー内の「公式リンク」から会員証となるNFT(所有権が明確になっているデジタルデータ)を購入することで参加できます。
DAOの理想と課題
完全にDAO化された組織のルールは、スマートコントラクトによってプログラムされ、ブロックチェーンに刻まれているため、すべて公開され、一部の人間の都合によって勝手に変更することはできません。
また、株式会社のようなトップダウンの意思決定とは異なり、すべてメンバーによる投票で行われます。
夢のような組織形態ですが、法人として認められるのかなど、法的に曖昧な部分も多く、現在のDAOの多くはここまでの仕組み化はできていないのが現状ですが、今の会社組織に代わる新たな組織形態として注目されています。
仮想通貨のweb3関連銘柄
仮想通貨のWeb3関連銘柄とは、Web3の実現に関連する技術やサービスを提供する企業やプロジェクトが発行する仮想通貨のことです。
具体的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
- イーサリアム(ETH)
イーサリアムは、Web3の基盤となるブロックチェーン技術を提供するプラットフォームです。そのため、Web3関連銘柄の代表格として挙げられます。
- ポルカドット(DOT)
ポルカドットは、異なるブロックチェーンを相互接続するプラットフォームです。Web3では、複数のブロックチェーンを連携させることで、より高度な機能を実現できることが期待されています。
- ベーシックアテンショントークン(BAT)
ベーシックアテンショントークンは、Webブラウザ「Brave」で広告を閲覧することで報酬を得られるトークンです。Web3では、ユーザーのプライバシーを保護しながら、広告収入をユーザーと共有する仕組みが普及することが予想されています。
これらの銘柄は、いずれもWeb3の実現に貢献する可能性を秘めているため、注目を集めています。
「Web3.0」と「web3」の違いについて
「Web3.0」と「web3」は、どちらもインターネットの次の進化形を指す言葉です。しかし、厳密には、意味が異なります。
Web3.0は、もともと「セマンティックWeb」の概念を表す言葉でした。セマンティックWebとは、Webサイトを人だけでなくソフトウェアにも理解可能な形式にする構想を指します。
つまり、Webサイトの情報を人間が理解しやすいだけでなく、コンピュータも理解できるようにすることで、より効率的な検索や情報処理を可能にしようというものです。
web3は、近年、分散型技術を用いて進化したインターネットの概念を表す言葉として使われるようになりました。分散型技術とは、特定の管理者や組織に依存せず、ネットワークに参加するすべての人によって運営される技術のことです。
web3では、ブロックチェーンやスマートコントラクトなどの分散型技術を用いることで、データの所有権やプライバシーの保護、透明性や信頼性の向上などを実現しようとしています。
このように、Web3.0とweb3は、どちらもインターネットの進化形を指す言葉ですが、目指す方向性が異なります。Web3.0は、Webサイトの情報を人間とコンピュータの両方が理解できるようにすることで、より便利で効率的なインターネットを目指しています。
一方、web3は、分散型技術を用いることで、より民主的で公平なインターネットを目指しています。
近年では、Web3.0とweb3は、同じ意味で使われることが多くなっています。これは、web3の概念が広く知られるようになり、Web3.0の概念と重なる部分が多くなったためと考えられます。
web3 流行らないという噂について
Web3が流行らないという噂を言う人がいる理由は、大きく分けて以下の3つが挙げられます。
Web3の概念がまだ曖昧で、具体的なイメージがつかみにくい
Web3は、分散型技術を用いて進化したインターネットの概念ですが、その具体的な内容や実現方法は、まだ定まっていません。そのため、Web3がどのようなものなのか、具体的にイメージできない人が多くいます。
Web3の技術はまだ発展途上にあり、実用的なアプリケーションが少ない
Web3の基盤となるブロックチェーン技術は、まだ発展途上にあり、パフォーマンスやスケーラビリティなどの課題があります。そのため、Web3を活用した実用的なアプリケーションは、まだ多くありません。
Web3は、中央集権型のインターネットに慣れた人にとっては、使い勝手が悪い
Web3は、分散型技術を用いることで、データの所有権やプライバシーの保護、透明性や信頼性の向上などを実現しようとしています。しかし、これらのメリットは、中央集権型のインターネットに慣れた人にとっては、逆にデメリットに感じることもあります。
例えば、データの所有権がユーザーに帰属するということは、データの管理やセキュリティをユーザー自身で行う必要があるということです。また、透明性や信頼性の向上は、取引の複雑化や手続きの煩雑化につながる可能性があります。
このように、Web3は、まだ発展途上にあり、具体的なイメージがつかみにくいという課題があります。また、Web3の技術や理念は、中央集権型のインターネットに慣れた人にとっては、使い勝手が悪いと感じられることもあります。
これらの課題が克服されれば、Web3は新たな時代のインターネットを支える技術として、普及していく可能性は十分にあります。しかし、現状では、Web3が流行らないという噂を言う人も少なくありません。
まとめ
今回の記事では【WEB3】とは何なのか?今までのインターネットの歴史から解説させていただきました。
まだまだ途中経過の内容も多く、今後どのように変化していくのかは完全予想はできませんが、今ある課題を解決するために良い方向へ転じていくことは確実。
これからの時代をしっかり見つめていきましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。
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